奈良県北部の山間地に建つグループホーム。そこでは、軽度の認知症を患った老人たちが介護スタッフと共同生活を送っている。その老人のひとり、しげきは、33年前に亡くした妻との思い出を胸に秘めたまま静かな日々を過ごしていた。そんな中、グループホームに介護福祉士の真千子が新しく赴任する。彼女もまた、我が子を幼くして亡くすという暗く悲しい過去を背負っていた。はじめは思うように打ち解けず、ぎくしゃくしていたしげきと真千子。次第に通じ合っていった2人は、ある日しげきの妻の墓参りへ出掛けることに。そして彼らは、しげきの妻が眠る“殯の森”の中を彷徨っていく…。
緑が綺麗な映画。
木々の緑。
田んぼの緑。
茶畑の緑。
殯(もがり)の森の緑。
抽象化された内容だけに、ちょっと分かりづらいけど。
いかにも、外国の映画祭でうけそうな日本映画。
殯(もがり)とは、日本の古代に行なわれていた葬儀儀礼で、死者を本葬するまでのかなり長い期間、棺に遺体を仮安置し、別れを惜しみ、死者の霊魂を畏れ、かつ慰め、死者の復活を願いつつも遺体の腐敗・白骨化などの物理的変化を確認することにより、死者の最終的な「死」を確認すること。その棺を安置する場所をも指すことがある。殯の期間に遺体を安置した建物を「殯宮」(「もがりのみや」、『万葉集』では「あらきのみや」)という。